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2010年01月10日
初めてのテリーヌ
今年の三連休は穏やかな陽気が続きそうだ。年末から休みなく働いてきた旦那さんの仕事も山を超え、ようやく落ち着きを取り戻した様子。少し前から、「京都のビストロで食べたようなテリーヌ・ド・カンパーニュが作れるようになったらなぁ~。」と言っていたので、こっそり本を買っておいた。眺めているだけでワクワクするような美しい写真が添えられたその本は気に入ったようで、昨日からもう何度も手に持ち、ページをめくっている。これは、いよいよ始まりの予感!
いきなり、クレピーヌ(豚の横隔膜)を使うような本格的なレシピに挑戦するのは難しい。まずは、本の中で材料が一番少ないものから作りはじめると言う。それは、鶏肉のゼラチン質を利用した、レモンとハーブ風味が爽やかなプレッセという、前菜になるテリーヌだった。鶏肉をワイン、レモン、ハーブ、調味料に漬け込んでから一気に蒸し上げる。その後はオーブンで湯せんにかけて、しっかりと冷やし固めて完成だ。一見簡単そうだが、”適量の塩”というのが難しかったらしい。「もう少し塩が効いていればなぁ...」と残念そう。私も味見をしたが、爽やかな風味にまとまっていて、やはり足りないのは少量の塩としか言いようがない。漬物でも何でも、絶妙な塩加減がプロの仕事なのだろう。

私が、これまでの人生でテリーヌを作ったのはただの一度。パトリス・ジュリンアンさんの”フランス料理ABC ”という本の表紙に一目惚れしてしまったのだ。それは、カッテージチーズに松の実やバジルを加えたベースに、アスパラガスやニンジンなど断面が綺麗な野菜を合わせたものだった。テリーヌの仕上げは、生クリーム、粒マスタード、オリーブオイル、塩胡椒で作ったシンプルで濃厚なソース。その時は美味しさと引き換えに、「なんと高カロリーな!」と思っていた。こうした野菜のテリーヌであっても下ごしらえには手間も時間もかかり、”テリーヌ=手間がかかるもの”と決めつけ、自分で作るまでもなく、レストランで食べれば良いものになっていった。しかし、ワインを片手に大好きな肉のテリーヌを食べながらいつも思っていた。これは、半端になった肉を大切に利用したものではないかと?ソーセージと同じではないかと?ある意味、京都のおばんざい的な発想から生まれたご馳走なのだろうと、今は思える。
旦那さんの作った鶏肉のプレッセ、初めてにしては上出来だったと思う。本の表紙にあるテリーヌ・ド・カンパーニュが、我が家のお皿に乗る日も夢ではなさそうだ。近々、陶器でできた蓋付きのテリーヌ型とそれに合ったバットを買いに行くと言っている。男子 ”たまに”厨房に入るは望ましい。料理は気分転換になるし、レシピ本を見ながら初めて作る料理は、自信をくれる。回数を重ねるうちに段取りも良くなって、洗いものも減って...。作ることにかかる時間より、いつしか出来あがった料理を味わうために時間をかけたいと思うようになるのだから。
どこかで口にして、あまりの美味しさにいつまでたっても忘れられない料理や食べ方がある。食事という行為は本当に不思議だ。「一昨日のランチに何を食べたか?」を思い起こすと、食べたものを思い出すこととほぼ同時に、「誰と何処で、あぁ、そう言えばこんな会話をして。」それだけでなく、食事の前後の行動まで鮮明に思い出してしまうのだ。美味しくて発見に満ちた食事を心掛けると、きっといいことがついてくる。
posted:2010年01月10日 21:07



