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2009年06月27日
真夏日 亜高山帯を歩く
今日は軽井沢もかなり暑い一日になりそう。こんな休日は、まだ行ったことのない長野へ足を運んでみたい。向かった先は、麦草峠を走った先にある白駒池だ。腕には今日も高度計を着けている。レンゲツツジのことは書いたばかりだから、白樺が混じりはじめた峠道ではオレンジ色の花のかけらがないものかと期待が高まる。笹が地面を覆い隠すエリアに入った。すると、笹の中からこんにちは!といった様子で優しいオレンジ色の花が開いていた。ここでは、すべてが共生の道を歩んでいることがわかる。笹の繁殖力はかなり強いなと感じられたが、きっと大丈夫。標高1600mでは花も残り僅かとなったが、今の時期は1800m付近が見頃。ここは、レンゲツツジという花の前線が北上する最後の地ではないだろうか。

白駒池の駐車場に到着した。ここに車を置いて池まで歩いていくのは、なんと今日が初めて。
「いつでも行けるのだから...」そんな風に思っていると、同じ長野にあっても縁がない。歩き出すと、あまりの暗さにびっくり。いきなり、針葉樹の森であった。そびえ立つ巨木は、ここが亜高山帯であることを教えている。標高は2000m、トウヒやオオシラビソといった木の姿に親近感を覚えるのは、日頃見慣れているマツ科だからだろう。白樺をグッと大人にしたようなダケカンバやコメツガもそこかしこに立ち並んで、みんなで一つの森を形成している。地面を絨毯のように覆う針葉樹の落ち葉に光はほとんど届いていない状態で、倒れていった木にもそれは雪のように隈なく降り積もっていた。そこに苔が生え、土の代わりを一任されたように水分を蓄えている。ドウダンツツジや、幾つかの落葉樹が根を下ろしているが、みな人の背より低いまま。大きくなることを阻まれているようにも見えてくる。次第に落葉樹が葉を広げるようになって、重たい空気は乾燥したものへ、木々が明るさを取り戻していく。池はすぐそこなのだ。ここで、コメツガの名の由来を見ることとなった。なるほど、この木の新芽は米粒にそっくり。

コメツガの芽吹きを見る。春は訪れたばかりなのだと知る。冬だって瞬く間に忍び寄るというのに。

池のほとりで、幾つかの高山植物に出合った。そのどれもが、池に向かって気持よさそうに咲いていた。日本語には名詞に男女の区別はないけれど、この花たちにつけるとしたら、間違いなく女性名詞をあげる。

肌寒いことを覚悟してきたのだが、ひんやりとした空気は半袖でも過ごせるほどの心地よさを保っていた。標高2000mでこうである。今日の下界は、いったいどんなに暑い一日だっただろう。標高1600m地点まで下り、喉とお腹を潤したら、のんびりと帰路につこうか。駐車場では、若草色をしたいかにも柔らかそうな出来たての松ぼっくりを見つけた。木々の若い芽を見た日に、こんどは若い実をつけた木々を眺める。季節のいろいろな過程を垣間見た楽しい一日だった。

posted:2009年06月27日 19:01



