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2009年05月19日
風に乗る 綿毛
朝10:00、窓の外を見て驚いた!借景の林は光を浴びて眩しいほどだけれど、そこに無数の綿毛が舞っていたのだ。外へ飛び出して、綿毛の正体を突き詰めようと試みる。だが、そんなことより何より、今はこの幻想的な風景に立ち合うべきと思った。綿毛は、目には見えない緩やかな風の存在を教えていた。下の写真に映り込んでいるはずなのだが、なぜか綿毛のかけらも見つからない。雪虫よりずっと繊細な存在なので、光の加減でしか見えてこないようだ。

この時期の軽井沢は、あらゆる植物の開花がラッシュである。我が家の地面には、ニレケヤキの種という絨毯が敷かれたし、無数の綿毛が宙を舞って着地の時を待っている。さっき見た綿毛はどこから来たのだろう。家の近くを少し歩いてみる。大本命は、やはりこのタンポポだろうか?飛び立った後もある。

いや、違う。こんなにハッキリとした種はついていなかった。自宅に近づいて林の淵を見上げると、風に吹かれて、例の綿毛がどっさりと頭上に降ってきたではないか。凍てつく寒さの中で春を知らせにきた、ネコヤナギである。芽吹きも早ければ、種になるのも早い。生命力溢れるこの木はいたる所に根を下ろし、数年のうちにネコヤナギの林を作ってしまう。注意してみていないと、大変な木のひとつだ。

散歩コースの中にある、私のとっておき。それが、この緑の天井だ。見上げていると、首が痛くなるほど高い木ばかりが立ち並ぶ、小人になれる通り。

視線を落としていくと、溢れんばかりの木漏れ日の世界が広がる。この時期、この空間を飾っているのがツリバナだ。こんなに愛らしい花が、この世に存在していることを知れただけでも嬉しくなる。

何層もの木々の間を通過した日の光が、ようやくたどり着くのが林床と呼ばれる場所。グランドカヴァーだ。光に乏しい場所でも、若葉の今ならこんなに明るい。マイヅルソウやユキノシタといった湿度を好む野草が、肩を寄せ合って生きている。
あるべき場所に、あるべき姿で...植物のなかに身を置いてみれば、多種多様なものと共存していることに気づかされる。複雑なことは美しいなぁと思う。複雑だからこそとれている絶妙なバランスに、これからも注目していきたい。

posted:2009年05月19日 12:02



