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Born Conduction Life in 軽井沢

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2008年07月06日

岩を断念して見れたもの

突如 クライミングのテンションが高まってしまった旦那さん。昨夜も、地下のジムでトレーニングに励んでいたようだ。天気予報では降水確率60%の雨を知らせているというのに、「行ってみなければわからない」を連発。こうなると、実際に自分の目で岩の状態を見てもらうしかない。外の岩に触れるのは、いったい何ヶ月ぶりになるだろうか。まずは、いきなり小川山などとは言わずにホームゲレンデの佐久(の岩場)で練習するのが常套手段。車の座席の下に必ず入れていたアプローチシューズが見当たらないと思っていたら、家のクローゼットへ移動していた。そんなことも忘れていたのである。クライミングの世界から、いかに自分たちが遠のいているかに気づく。車を走らせて間もなく、低く重く垂れこんだ雲がフロントガラスいっぱいに広がった。それは、溢れる涙をこらえる子供の瞳。

次第にポツリポツリと、ガラスに水滴がつくようになる。しかし、懐かしい岩場へと続く集落にさしかかると雨は一旦止んでくれた。車一台がようやく通れる林道をいつもの調子で進んでいくと、道路の両端が大きくえぐれている。これは嫌な予感だ。すると案の定、落葉松の大木がまるで通行止めのポールのように道を完全に塞いでいた。この先に車が入ることは不可能。バックでなんとか林道の入口付近まで戻り、歩いて偵察することに。昨年、軽井沢に大きな爪痕を残した台風の影響はここにもあったのだ。岩場には、下から歩いてきたと思われるクライマーが10名ほどいる様子。しかし、やはり梅雨のさなか。乾いた安全な岩は僅かしかない。今にも降ってきそうな空模様を見て、今日登るのは止めようと決める。

気分転換にドライブを楽しむことにして、向かった先は小海方面。どんよりとした空の下では、明るい白樺林が唯一救いの景色となる。小海高原美術館から更に高みを目指すと、偶然 サラサドウダンツツジの群落地を見つけた。山の斜面には、樹齢の検討さえつかない大木が幾つもあり、枝先を見ると花が終わっていることがわかった。花季を逃してしまった、あぁ、残念!と落胆していると、暗がりでそっと咲く小さな花を発見!事情があって、遅咲きになったサラサの花だった。

08.07.06.小海 サラサドウダン群落.jpg

サラサドウダンツツジの5m以上の大木を目にすることは、日常的に皆無と言ってよいだろう。それほど今では稀少なものだ。自然のままに育ったものは伸び伸びとした樹形が素敵だ。足元には、種がこぼれて育ったと見える幼木や、咲きだしたばかりの菖蒲やヤマオダマキが。日当たりの良い斜面だから、野草の背丈は30センチほどで充分なのだろう。花をよく見るなら、写真を撮るなら、かがんで地面に近づいていかないといけない。雨が降ったり止んだりの天気だから余計に感じる草の匂い、雲の切れ目から太陽が顔を出せば、「この時を待っていました!」とばかりにはじまる蝉の大コーラス。今日の空色のようだった旦那さんの表情が、カメラを渡した途端に晴れ晴れとしたものへ変わっていった。久々の休日に岩に触れたい気持ちはわかる。しかし、こればかりは自然相手の遊び。だから、如何なる時もコンディションを無視するわけにはいかない。焦る気持ちが良い結果を生む確率は少ないと知っているから、私はブレーキを踏む嫌われ者に徹する。

posted:2008年07月06日 14:41

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