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2008年03月11日
ポケットから どんぐり
まるで”空から羽毛が降っている”ようだと、枕元から春の雪を眺めていたのが昨日。あまりにも幻想的だったため、写真を撮ることなど完全に忘れて見入っていた。木々は花が咲いたように華やかとなり、それはそれは見事な冬の一日が再現された。羽毛のような雪が天から舞い落ちる様は数分間、それが作り出した雪景色も数時間のことで、ただのひとつも面影を残さず姿を消していった。
そして今日は、最高気温が14℃まで一気に上がった。名残り雪の翌日は、初春を通り越して初夏のような陽気になるのだから、身体はあたふたと戸惑っているに違いない。春霞に包まれた浅間山は山肌に薄っすらと雪を残すだけで、軽やか。山の稜線を曖昧にする けぶるようなペールブルーの空は、これまでピーンと張り詰めていた冬特有の空気や緊張感をほぐしてくれるようだ。庭の根雪もこの気温と乾燥した空気ではぐんぐん姿を消すしかない。地面もいよいよぬかるみはじめ、長い間凍りついていた土からも水が浸み出ている。溶けかかったチョコレートのような厄介な土は靴底にペタペタとへばりつき、それを落とそうとする雪も僅かだ。今日のような日にあえて車に乗ることはない。ぜひ歩きたいと思う。しかし、それでは何を着たら良いものか?と本気で迷いだしてクローゼットから取り出したのは、中途半端な時期にしか出番のない薄手のキルティングジャケット。歩きはじめて何気なくポケットに手をつっこむと、コロンとしたものが幾つか入っていることに気づいた。触った瞬間、自分でも驚くほど鮮明に記憶が蘇った!昨年の乾いた秋の日に、庭に植えようと持ち帰ったどんぐり(ナラの実)である。あれからもう半年が経ったなんて。春の訪れに、あらためて感謝。

posted:2008年03月11日 16:54



