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2005年11月15日
霰で一瞬の冬景色
中庭からギャラリー(作家さんの作品を扱うお店)へセクションを変えて働く。植物を扱う中庭は冬に向けて縮小のカウントダウンが始まっている。だから、中庭スタッフはギャラリーのことも知る必要があるのだ。中庭は屋外の売り場なので、植物の変化や空気を常に肌で感じてきたように思う。ギャラリーは中庭から一歩建物の中に入った隣の売り場である。が、たった一枚の壁で別世界と言っていい。ぬくぬくとした店内で過ごしていると、今、外がどうなっているのかをうっかり忘れてしまう。外から、灯油ストーブの温もりを求めに走ってくるお客様のコートの冷たさでやっと今の寒さを知る。雑木林の中腹にある作家さんたちの晴の場”ステージ”では、昨日から田原良作の家具が展示されている。夕方、「ステージに居てください」と言われ、ほの暗い林を下りステージに入る。田原さんの作品と同じ空気を吸っていると思うと、なんだか心地がよい。窓の外を見ると、灰色の空から白いものがポツリと降ってきた。霰(あられ)である。私は田原さんの柿渋のモンローベンチを一瞬、本気でコレクションしたいと思いはじめていた。窓の外で次第に粒を大きくしていく霰。それは、雨のようにざあざあと音を立てはじめ、木道は薄っすらと白く染まっていった。晩秋を通り越して気の早い冬が一気に訪れたようだ。まさかの冬景色。ここに身を置くのは一夏だけと決めていたはず。11月は遠いものだったし、もう倶楽部に自分はいないものと思っていた。「なぜ、いま私はここにいる?」その真意はもしかしたら本人もわかっていないのかもしれない。勤務終了後の20:40、霰は降り止んでいた。交換したばかりのスタッドレスタイヤを履いているが、一人で小雪の舞う野辺山からの帰路は正直怖い。煌々と光る自宅に戻ると、長期出張を終えて休んでいた旦那さんが薪ストーブを焚いて待っていてくれた。家の中はぬくもりで溢れていて、事故なく仕事を終え帰ってこれたことに安堵した。旦那さんの以前の会社の社長が、渡航中に他界したと知る。無念だった。会いたい人には会える時に会うこと!と本気で思った。
posted:2005年11月15日 12:23
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